イーサリアムの分裂の結果何が起きたのか

イーサリアムは、もともと契約情報を分散型台帳で記録するプラットフォームです。そのプラットフォーム上で使用される暗号通貨の正式名称を「イーサ」といいます。

一般的には、「イーサリアム」が仮想通貨の正式名称と思われているケースが多いですが、仮想通貨としての正式名称は「イーサ」なのです。

通貨名イーサが分裂したきっかけは、ハッキング事件の発生でした。2016年に「ダオ」という自律分散型投資ファンドが設立されました。イーサリアムというプラットフォームを利用したファンドです。

ダオは、クラウドファンディングの仕組みを用いて小口の出資者を広く募って資金調達を行い、未公開のベンチャー企業の成長に投資するベンチャーキャピタルでした。そして資金としてイーサを用いたのです。

ダオは、イーサリアムというプラットフォーム上で稼働しているベンチャーキャピタルですので、ダオに出資するためには、ダオトークン(代用通貨)を入手する必要がありました。

そして、ダオトークン(代用通貨)を入手するためにはイーサリアム(通貨名イーサ)を買う必要があり、「1イーサ=100ダオ」と交換レートが設定されました。

ダオが資金調達を行うことを発表した直後から話題を集め、アメリカドル換算で50万ドルの募集を行ったところ、1.6億ドルの出資金が集まりました。この影響もあり、イーサリアム(通貨名イーサ)の価格も大幅に上昇したのです。

ところが2016年6月、ダオがハッキングされてしまい、総額で3600万イーサが消失してしまいました。

日本円に換算すると約150億円の資金調達に成功した直後、半額の約75億円をハッカーに奪われてしまったのです。もちろん、この事件はすぐに公表され、イーサリアム(通貨名イーサ)の価格も暴落しました。

日本円で約75億円を消失したというこの事件は、プラットフォームとしてのイーサリアムにも問題があったのではないかと指摘が各方面からなされた結果、イーサリアムの運営元は「出資を募った行為を無効とする」という決定を下しました。

この結果、イーサリアム(通貨名イーサ)ではハードフォークが発生しました。ビットコインやイーサなどの暗号通貨では、ブロックチェーンによって取引履歴がひと続きになっていることが最大の特徴であり、このため仮想通貨を改ざんすることができず、信用力の高さにつながっていました。

ところが「取引がなかったことにする」という決定が下された結果、本来枝分かれしないはずのブロックチェーンが枝分かれしてしまい、ある時刻を境に、後から書き換えられたブロックチェーンにつながるイーサリアム(通貨名イーサ)と、書き換えられる前のブロックチェーンにつながるイーサリアムクラシックという2つのイーサが同時に存在することになったのです。

当初はイーサリアムクラシックに対しては誰もブロックをしないと観測があったため、イーサリアム(通貨名イーサ)と比較すると、イーサリアムクラシックは無価値同然でした。

ところが、あるとき世界最大の仮想通貨取引所がイーサリアムクラシックを扱い始めた結果、価格が上昇していったのです。

現在では、複数の取引所がイーサリアムクラシックも扱っているため、投資家もウォレットを用意してマイニングに取り組んだり、ウォレットにお金を入金してイーサリアムクラシックへの投資も活発に行っています。

2017年12月上旬の時点では、イーサリアムクラシックの価格は3,000円台となっており、わずか1年程度で無価値の状況から3,000倍の値上がりとなっています。

チャートを見ても急上昇ぶりを確認することができます。